「ガン検診」の8割は意味がない?(2)
こんにちは。
横浜サトウクリニック
院長の佐藤忍です。
引き続き、ガンの早期発見とガン検診についてのお話です。
胃ガンの検査についてですが、検診の場合、現在の主流はバリウムを飲んだ上でのレントゲン検査ですが、こちらに至ってはナンセンスとしか言いようがありません。
なぜバリウムを飲むかといえば、それは胃の粘膜の凹凸を見るためです。
凹部にはバリウムが溜まってレントゲンに写りますが、凸部にはバリウムが乗らないので写りません。
そして、ガンができていると、胃の表面がデコボコしているので、レントゲンの凹凸の形を見れば、ガンを発見できるというわけです。
ところが、早期の胃ガンの場合は凹凸が少ないため、この検査ではほとんど見つけることができません。
つまり、この検査で見つかる胃ガンは、かなり進行しているということになるのです。
胃ガンを早期発見したければ、バリウムを飲むより、胃カメラを飲むほうが良いといえるでしょう。
大腸ガンの検診も、主流はバリウムとレントゲンですので、基本的には胃ガンと同じです。したがって、早期発見を望むなら、内視鏡による検査のほうが良いのです。
乳ガンの検診、も主流は触診ですが、触ってわかるガンはかなり進行しています。
ですので早期発見を望むなら、マンモグラフィー(乳房X 線)検査と乳房超音波(エコー)検査がおすすめです。
実際、触診や乳房超音波検査で発見できなかった乳ガンが、マンモグラフィー検査で見つかるケースもあります。
ちなみに、男性の前立腺ガンは検診で見つかりやすいガンの代表ともいえます。
最近は血液検査で前立腺特異抗原 PSAという、いわゆる前立腺ガンのガンマーカーを測定することで、早期の段階で発見される患者さんが増えています。
ただし、PSAが上昇していればすべてガンかというと、そうではありません。前立腺炎や前立腺肥大のときにも上昇しますので、これらとの鑑別をしなければなりませんが、もしあなたの検査項目にPSAが含まれていない場合、オプションで追加して受けられることをおすすめします。
このように、本当の早期ガンというのは、市などで行われているガン検診では発見できないのが実情です。
ですから、ガン検診で「問題なし」と言われても、それで安心とはいえないということ、心に留めておいてください。