様々な疾患の背景で免疫細胞たちが働いていることは、皆さんも何となく想像ができるのではないでしょうか。

免疫細胞たちが適切に働いてくれることで、病気にならないように守ってくれたり、病気になってしまった時もフル稼働で働いて健康を取り戻すことができるというイメージをお持ちだと思います。

免疫はウィルス、細菌、寄生虫などの外敵やがん細胞などの変異を起こした悪性細胞から我々の体を守ってくれる防衛部隊なのですが、何かしらのきっかけで正常な細胞に対して攻撃を仕掛けてしまい自己免疫疾患と呼ばれる病気を引き起こしてしまうこともあるのです。

このように免疫は一方で非常に有益である反面、他方では有害なことも起こりえることから諸刃の剣にたとえられることもあるのです。

今回は、免疫が影響することで様々な疾患を引き起こしてしまう慢性炎症に関するお話をしたいと思います。

比較的早期に収まる急性炎症の場合は、感染を起こしたり、外傷などのように組織の損傷を負ったときに免疫細胞たちが出動して感染源や有害物質を処理したり組織の修復を行うわけですが、その際の症状として局所の発赤、腫脹、疼痛、熱感をともないます。これらを炎症の四主徴と言いますが、通常は一定の時間が過ぎると(7日〜4週)これらの症状は治まり健康を回復するわけです。

一方、慢性炎症は組織障害や病原の処理が遷延したり、炎症の徴候がはっきりしないまま徐々に組織破壊が進行し最終的に組織の再構築がおこります。

がんや生活習慣病などの慢性疾患に共通する病態として慢性炎症が関与していると言われています。