こんにちは。

横浜サトウクリニック

院長の佐藤忍です。

免疫を理解する上で知っておくべき「免疫監視機構」についてご説明します。

免疫監視機構とは、細菌をはじめとする外敵や異物、身体の中から生まれてくる異常な細胞が存在するかしないかを、免疫の担い手である白血球が見張っていて、「非自己」、つまり自分たち正常な細胞とは違う顔つきをした敵を見つけるとすべて殺してしまうシステムなのです。

免疫の反応というのは、ある意味単純で、自分の仲間以外の他者は殺すという反応です。

侵入者が「非自己」だと認識されると、排除するための目印「抗原」として位置づけられ   「一次免疫反応」である自然免疫反応が起きて排除されると同時に、この侵入者が身内ではなくて他人ですよと識別する印がリンパ球に記憶されていきます。

これを免疫記憶といいますが、この記憶がつくられると、再び同じ目印をもった侵入者を見つけると、過去に入ってきた記憶が残されているので、速やかに「二次免疫反応」すなわち獲得免疫反応が起こるのです。

具体的には、過去に抗原と認識されている侵入者に対抗するため、免疫に関わる細胞の増強と攻撃命令が発動されます。

そして、「侵入者」の毒素を中和するタンパクである抗体を産生したり、侵入者を食べて消化したり、直接破壊したりと、強力な力で侵入者に対抗します。

その結果、一度かかった病気に二度とかからなくなったり、かかっても軽く済むといった現象が起こるのです。

これが、「抵抗力が強くなって、病気にかかりにくくなる」ということであり、「免疫がつく」ということなのです。

人類は、これまでにペストや天然痘などの重い伝染病に何度も襲われ、多くの犠牲者を出しながらも、医療のない時代から生き延びてきました。

それが可能であったのは、私たちの身体の中に病気を防ぎ、病気にかかっても回復する免疫という働きが備わっていたからなのです。

ガンの免疫療法は、このような人間がもともと持っている免疫の力でガンと闘うという 点で、ガンを切り取ったり毒や放射線でガンを殺したりする三大療法とはまったく異なる治療法といえます。

体内でガンのかたまりが大きくなってしまった患者さんの免疫状態は、この免疫監視機構が破綻し、うまく働かなくなってしまつているということです。

つまり、ガンが大きくなってしまうのは、身体のなかの、異物を見張り排除するシステムが弱っているからなのです。

ですから、免疫療法においては、ガンを異物と認識し排除するシステムをどうパワーアップさせるかが重要になります。