免疫細胞には役割分担がある
こんにちは。
横浜サトウクリニック
院長の佐藤忍です。
今回は、免疫細胞の役割についてお伝えします。
第1段階の防衛網となる自然免疫を担当しているのが、
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、マクロファージ、樹状細胞、顆粒球などです。
これら白血球にはそれぞれ役割が決まっていて、大きく分けると「見張り番」兼「司令官」「応援団」「兵隊」の3役があり、細胞によっては一人で何役もこなすものもいます。
また、「応援団」と「兵隊」については、敵ごとに担当が決まっています。
まず、自然免疫の中で「見張り番」として体内を巡回しているのが、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、樹状細胞です。
このうち、ナチュラルキラー細胞は、敵を発見すると「兵隊」に変身して敵を攻撃します。
「兵隊」 としての担当は、ガン細胞やウィルスです。
マクロフアージは、敵を発見すると自ら「兵隊」となって敵を攻撃するとともに敵の情報を仲間に伝えて指示を出します。
「兵隊」としての担当は、ガン細胞、細菌やウィルスです。
樹状細胞も、敵を発見すると強力な「司令官」に変身し、敵の情報を仲間に伝えて指示を出しますが、自ら攻撃することはありません。
「司令官」に変身したマクロファージと 樹状細胞が行う仲間(獲得免疫の細胞たち)への情報伝達のことを「抗原提示」と いいます。
なかでも樹状細胞は強い抗原提示能力を持っており、第1の防衛網である自然免疫から、第2の防衛網である獲得免疫への橋渡しをする、極めて重要な細胞と言われています。
顆粒球は、「兵隊」の役割を担っている細胞です。
顆粒球系の細胞には、好中球、好酸球、好塩基球の3種類があり、好中球は 細菌・真菌を、好酸球は寄生虫とアレルギーを、好塩基球はアレルギーを、それぞれ担当しています。