免疫監視療法

免疫バランスを正常にする免疫監視療法

免疫監視療法はバランスの崩れてしまった免疫機能を正常に戻す治療です。 自然免疫や獲得免疫が、体内に入った細菌やウイルス等の病原体、体内で発生したがん細胞などの異物を監視してこれを取り除く働きを免疫監視機構といいます。
進行がんの患者さんの場合では特にこの免疫監視機構の働きが低下していると言われています。免疫監視療法は免疫力を高める特殊な生理活性物質BRP(Bio-ReproducingProtein)を静脈注射します。
BRPは、がん細胞の存在を知らせる樹状細胞などの抗原提示(敵の種類などの情報を仲間に知らせる)細胞やがん免疫(Th1系)を活性化させ、がん免疫(Th1系)を抑制してしまうTh2、Th17、Treg系のサイトカインの働きが活発にならないようにします。
同時にTh1系のサイトカインも多量に産生し活発に働けるよう刺激して、がん患者さん特有の抑制性免疫の亢進とがん免疫の低下という免疫のアンバランスな状態を正常化させる抗がん活性を導きだします。

免疫活性物質BRPとは

免疫監視療法で症状の改善がみられた方の胸水や腹水中から採取した活性物質です。免疫監視療法で反応を起こした患者さんからとりだした胸水や腹水の中にあるアルブミンには免疫力を高める生理活性物質が多く結合していることがわかっています。この生理活性物質は免疫療法を行っていない方の胸腹水中のアルブミンや市販のアルブミン製剤には存在しないことが確認されています。
BRPは横浜サトウクリニック生体調節研究所内のクリーンルームで厳しい管理基準のもと製造されています。例えば胸腹水の提供者に感染症がないことを検査確認し、さらに胸腹水そのものの感染も検査確認。その後胸腹水中の細胞成分を取り除き、化学処理にて有効成分のみをとりだします。
ウイルスなどの感染源はこの処理によって取り除けますが、さらに製造工程で加熱処理を数回行い、安全性や品質を管理しています。

サイトカイン産生能からみたBRPの作用

免疫監視療法の主な特長

免疫監視療法の大きな特長は次の2つで、末期の方のQOLの改善や体質改善、疾病の予防などにも期待されています。

  1. 長期間、希望をもって治療が続けられること。
  2. 副作用やがんに特有の痛みの発現が少ないこと。

免疫監視療法のまとめ

免疫監視療法
仕組み免疫細胞を身体の中で自分の力で活性化。
療法免疫細胞を刺激する生理活性物質・BRPを注射
開始患者さまの同意が得られればすぐに治療を開始できます。
治療スケジュール4週間に1回の治療を6ヶ月実施。その後は、治療を重ねる段階で患者さんの免疫の力を診て※、経過がよければ2〜3ヶ月毎、4〜6ヶ月毎に間隔を長くすることが可能です。
費用治療の間隔を長くすることが可能なので、費用の負担も軽減されます。
他治療との併用原則として従来の殺細胞性抗がん剤との併用は控えていただきますが、症例によって少量使用したり、使用期間を限定しての併用もあります。化学療法剤でも分子標的薬は併用可能です。放射線やホルモン剤も併用可能です。

横浜サトウクリニック独自の血液検査(サイトカイン産性能検査)

サイトカインと呼ばれるリンパ球が造り出す活性物質の量を測定することにより、免疫のバランスと免疫力がわかります。

進行癌患者リンパ球のサイトカイン産生能の変化

下のグラフは健常人群、BRP治療有効の進行がん患者群、未治療進行がん患者群のリンパ球のサイトカイン産生量の違いを示しています。

(1)未治療進行がん患者群では、健常人と比較してがん免疫を強くするサイトカインであるインターフェロンガンマ(IFN-γ)グラフ①とインターロイキン12(IL-12)グラフ②の生産量は低く、逆にがん免疫を抑制するサイトカインであるインターロイキン10(IL-10)グラフ③の産生量は高くなっています。

(2)BRP治療有効の進行がん患者群では、未治療例と比較してインターフェロンガンマ(I FN-γ)グラフ①とインターロイキン12(IL-12)グラフ②の産生量は高く、逆にインターロイキン10(IL-10)グラフ③の産生量は低くなっています。

進行がんの患者さんでは、樹状細胞や1型ヘルパーTリンパ球(Th1)の機能低下を認め、がん免疫抑制状態になっています。
BRP治療により1型ヘルパーTリンパ球が優位となり、免疫抑制状態が解除されることによってサイトカインバランスも改善し、がん免疫が活性化されます。

治療効果

対象条件

  • 手術不能、あるいは再発末期癌患者
  • 免疫監視療法を3回以上施行
  • 同時に化学療法、放射線療法を併用していない症例

合計428例について検討

評価方法

化学療法の判定基準を用いる

「CR」Comllete Response 完全寛解

腫瘍病変が病理所見および、各種の検査法により完全に消失し、新病変の出現しない状態が4週間以上持続した場合

「PR」Partial Response 部分寛解

  1. 二方向測定可能病変の縮小率が50%以上であり、かつ新病変の出現しない状態が4週間以上持続した場合
  2. 一方向のみ測定可能病変において縮小率が30%以上であり、かつ新病変の出現しない状態が4週間以上持続した場合

「NC」No Change 不変

二方向測定可能病変の縮小率が50%未満、一方向のみ測定可能病変においては縮小率が30%未満であるか、またはそれぞれの25%以内の増大にとどまり、かつ新病変の出現しない状態が4週間以上持続した場合

「PD」Progressive Disease 進行

測定可能病変の積、径の和、または面積などが25%以上の増大、あるいは他の病変の出現を認める場合

結果

完全寛解(CR)16例3.7%
部分寛解(PR)82例19.2%
不変12(NC)204例56.0%
進行(PD)90例21.0%
428例中
  1. ↩︎
  2. ↩︎
  • 免疫療法では短期間に腫瘍の縮小を観察されることはまれであるが、不変(NC)、進行(PD)、と判定されても、その後部分寛解(PR)、完全寛解( CR)となる症例が存在する。
  • 予後の改善につながる。

費用について

免疫監視療法
205,546円(税込)

免疫監視療法143,000円(税込)、その他血液検査料(51,546円(税込))を含みます。
初診料11,000円(税込)
詳しくはこちら
温熱免疫監視療法

よくあるご質問

Q
副作用はありますか?
A

ごくまれに注射の当日から翌日にかけて37℃前後の微熱や軽度のだるさを感じられる方もおられますが、重篤な副作用はありません。

Q
化学療法との併用は可能ですか?
A

近年、化学療法は従来と異なる様々な種類の薬剤が開発され使用されるようになりました。
使用されている薬剤によっては、免疫に対する影響の度合いは違いますので詳しくは現在使用されている薬剤の種類をご確認の上、お問い合わせ下さい。

Q
抗がん剤以外に併用できない治療はありますか? 例えば、他の免疫療法(ワクチン療法、養子免疫療法など)や乳がん、前立腺がんなどで使われるホルモン剤、また、強ミノファーゲンなどの注射剤は?
A

併用しても差し支えありません。また、他に痛みのコントロール、栄養補給などの対処療法は、必要があれば積極的に受けてください。

Q
治療の間隔と治療期間は?
A

患者さんのご状態によって、治療間隔は様々です。通常、がんの方は、4週間に1回の治療を繰り返して行いますが、ご状態が安定されるにしたがって、治療間隔が延びて行きます。がんが完全に消滅しても、治療開始から5年間、場合によって10年間は、継続した治療をお勧めしています。

Q
どの程度の症状なら、BRP療法が受けられるのでしょうか?
A

免疫系の賦活回復が可能な方で、次の2つがその目安となります。

  1. 必要な食事がとれること。
  2. 歩行が出来て、身の回りのことが出来ること。
Q
末期がんでもよいのでしょうか?
A

免疫系の賦活回復が見込める状態なら可能ですが、がんとの共存が主目的となります。

Q
どのくらい治療を続ければ効果が現れますか?
A

治療効果が現れるまでの期間は、個人個人によって様々です。5~6回の治療で、何らかの効果が確認できる方もいらっしゃれば、2年以上治療を繰り返して、効果が現れる方もいらっしゃいます。また、がんの縮小は認められなくても、体調が安定し、健康な方と同様の日常生活が送れる方が多いのも免疫療法の特徴です。

Q
がんの種類によって治療効果が違うのでしょうか?
A

効果の現れやすいがん、現れにくいがんがあります。脳腫瘍、膵臓がんは効果が現れにくいと言えます。

治療の種類と免疫について

温熱療法(ハイパーサーミア)

温熱療法(ハイパーサーミア)とは、がん腫が熱に弱いという性質を利用して腫瘍を縮小させようとする治療です

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免疫監視療法

免疫監視機構を賦活(活力を与えること)、改善して、がんや難治性免疫疾患などの病気の治療や体質改善をおこなう

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オゾン療法

穏やかな炎症を誘導することで免疫細胞の機能を刺激した後に炎症と抗炎症のバランスを調整します

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免疫のちから

細菌やウイルスなどの外敵が体に侵入してきた時に敢然と立ち向かい退治し、また体内で発生したがん細胞などから身体を守ってくれる働きや仕組みです

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統合医療めざして

より良い効果が得られる治療法をとりいれていく統合医療をめざしていくことが、多くのがん患者さんの希望へとつながることだと確信しています

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